あいますにあいます

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2010年 02月 16日

はるゆきSS書きました。

お久し振りです。小六です。
試験から解放されて、ダメ人間一直線に進んでおります。
さて、今回ははるゆきSSとなります。coroさん遅れて申し訳ありませんでした!!

【追記】 なんと!ラディカルエクセレントハイクオリティビビッドドラマティックスピード持ちの晴嵐改様より挿絵を頂きました!
      イラストはSS中に挿絵として掲載させて頂いております。本当にありがとうございました!

以下、SSとなります。性描写が含まれておりますのでご注意下さい。



 
 
 他人の部屋に居るというのはそわそわするもので。ついつい部屋の中を探索してしまう。前に来たときと変わったものは無いかとか、あのときの写真はまだ残っているかとか。久し振りに訪れた春香ちゃんの部屋は、相変わらず春香ちゃんの部屋で、私は胸をなでおろした。
 それでもどこか心もとなくて、自分の鞄の中身を確認したり、時計の秒針が絶えず動いていくのを眺める。


    階下から悲鳴とお皿が派手に割れる音


 私はうぅんと一思案した後、部屋を出た。
 もしかすると他人の部屋に居るというのは、もてなされた側よりももてなす側の方が緊張するのかもしれない。


「はるかちゃーん、だいじょうぶー」
「だ、だいじょうぶー」


 裏返った声を聞いて、私は笑ってしまった。




    ―――― 彼女と彼女のある日の風景04 ――――




 春香ちゃんがケーキを作ったというので、私は春香ちゃんの家にお邪魔することになった。ケーキを作ったものはいいけれど、私のことだから絶対に綺麗なままで事務所まで持ってこれないから。そう苦笑しながら春香ちゃんは電話で私に伝えた。分かっているなら気をつけて持って行けばいいのに、そんな言葉が浮かんだけれど、春香ちゃんのことだ、私は喉元まで浮かんだ言葉をすっと飲み込んだ。


「じゃじゃーん」

 扉の隙間から聞こえたのはとぼけた声。ケーキが盛り付けられたお皿を両手に持って部屋に入った春香ちゃんはとても嬉しそうな顔をしていた。バレンタインだからだろうか、お得意のショートケーキのクリームはいつもと変わった色をしていて。チョコの匂いが鼻先をかすめる。

「おいしそうだね」
「うん。頑張って作ったんだよー」

 ケーキの形を崩さないようにゆっくりとお皿をテーブルに置き、お皿を一つ私に手渡した。何かのお酒に付けたのだろうか、ケーキに乗せられたオレンジは鈍い光を帯びていた。

「……おいしい」
「でしょー」

 してやったりといった顔で春香ちゃんは自分のケーキをもぐもぐと口にしながらそう言った。

「春香ちゃん……食べながら喋るのは行儀がよくないよ」
「まぁまぁ。ケーキがおいしいからそれでいいじゃない」

 そんなものなのかな、だけど確かにケーキはおいしかった。それでいいのかもしれない。そんな春香ちゃんにつられたのか、私はケーキをもう一口食べた。チョコクリームがほろ苦い。とりとめもない会話を交わしながら、私と春香ちゃんはケーキを一つたいらげた。


「ごちそうさまでした」
「はーい。おそまつさまでしたー」
「やっぱりお菓子作るの上手だね」
「まぁ趣味みたいなものだから」

 春香ちゃんいわく、暇なときはつい作っちゃうらしい。じゃあ今回もその例に漏れないのかと思って聞いてみると

「今回は特別だって」

 そんな言葉をさらりと言ってしまうあたり、春香ちゃんらしいというか。続ける言葉を失ってしまって、私は紅茶を飲む。ちらりと春香ちゃんの顔を見ると、口元にクリームがついている。
 だらしないというか、無防備というか。

「どうしたの、雪歩?」
「春香ちゃん、クリームついてるよ」
「おっと失礼」

 テーブルに置いてあるティッシュをとろうしたのか、春香ちゃんは手を伸ばして、そしてその手を止めた。


「春香ちゃん?」
「えへへ」

 にまにまと笑う春香ちゃんは、何かを待つように顔を私に近づけた。

「……もう」

 まるでちっちゃな子供みたいだ。ティーカップを静かにソーサーに置く。

「……目、開けないでね」
「うん」


 浅く息を吸う。それから私は春香ちゃんの口元に舌を伸ばした。できるだけ自然に、ドキドキしているなんて悟られたくない。
 ぺろりと舐めとったチョコクリームがほのかに甘く感じた。


「おいしい」
「どっちが?」
「どっちだと思う?」

 悪戯な問いかけに正直に答えることなんてできない。私は大人っぽく笑ってみる。
 お望みの答えが返ってこないことが不満なのか、春香ちゃんはむぅとふてくされた。
 その姿がかわいくて、愛おしくて、私は軽く噴き出してしまった。

「あー、馬鹿にしてるでしょ」
「あはは、ごめんね」

 だって可愛いんだもん、言葉は笑い声に隠れて逃げていってしまった。何が面白いというわけでもないのだが、何か面白くて。箸が転んだだけでも笑う年頃だといわれても仕方ないな、という思いが頭をかすめた。ひとしきり笑って意識を外へやると、春香ちゃんが私の方を見つめている。

「春香ちゃん?」

 ぼうっとした表情のまま、春香ちゃんは私の肩に手を置いた。




 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 





「春香ちゃん?」


 私を呼ぶ声。私は雪歩の顔を包み込んで、そっと自分の方へ向かせた。
 笑って揺れるその肩が儚げだからとか、同い年のくせにちょっと大人っぽいからとか、表情の一つ一つを見てみたいからとか。理由を上げればきりがないけれど、結局私は雪歩に触れたかっただけなのだろう。

 ああだけど、そんなこと言うのは恥ずかしいし、こうやって行動で気持ちを伝えることしかできない。
 私は何も言わずに顔を近づけた。

「んっ……」

 そっと唇を重ねる。

 一語一語、至近距離で噛み砕くように囁きかけるように。唇を優しく噛んで、舌で隙間をなぞる。
 久し振りのキスは私を夢心地にさせるには十分過ぎるほどだった。
 恥ずかしさとは別の理由でさらに上気した雪歩に目で了承を取り、今度はより深く合わさる。
 半開きになった唇の隙間に舌をちろりと滑り込ませた。

 離れて、重なって。繰り返すごとに濃厚に。
 隔たれていた時間を埋めるようにキスをする。
 歯列をなぞり、螺旋に絡めて。

 口元が唾液でべとべとになる手前、ゆっくりと顔を離す。
 薄目に見えたのは、うっとりとした表情を浮かべた雪歩。

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「おいしかった?」

 まるで私を誘うような口調。口元についた唾液を舐め取る扇情的な舌の動き。

「私はおいしかったよ」

 私の言葉を待たずに、雪歩は私の唇に噛み付いた。脂のついた唇をねっとりと舐め上げられる。
 ちろちろとからかうように舌を弄ばれる。それがくすぐったくて私は身をよじらせた。
 そう、いつだって雪歩にリードされている気がする。唇が離れて、私は深いため息を吐く。

「……雪歩はダイタンだね」

 そんな雪歩に負けないように茶目っ気たっぷりに笑ってみせる。
 私の言葉に冷静さを取り戻したのだろうか。雪歩はぽかんと口を開け、私の言葉の意味を理解した後、その顔を紅潮させた。

「は、春香ちゃんが、その、かわいかったから…」
「雪歩の方がかわいいよ」

 にこりと笑って私は再び雪歩に口付けを交わす。ちらりと薄目を開けると顔を火照らした雪歩の顔が見えた。かわいいな、と心の中だけで呟いた。そっと胸に手をやる。布越しの胸はやわらかくて、指に少し力を入れると、静かに沈みこむその感触が嬉しい。それと同時にどこか物足りなくて、私は慣れた手つきでボタンを外す。胸の部分だけ肌けた雪歩の服からは、胸の肌色が見えた。
 しっとりと濡れる影。ふわりと立ち上る甘い匂い。思わずその中に顔を埋めたくなってしまう。


「春香ちゃん?」

 自分の名前を呼ぶ声がして、私は意識を外へ戻す。

「あ、ごめん」
「もしかして見とれてた?」

 もしかしてでなくても、図星である。自分の考えなど目の前の彼女にはお見通しなのだ。 


「そ、そんなことないよ」
「うそ。顔が真っ赤だよ」
「そんなことないってば」
「ふふ、春香ちゃん、かわいい」

 いつだってこうだ。私が先手を取って優越感に浸っていると思っていると、気付いたら雪歩の方が私の先にいて笑っている。まるでシーソーゲームだ。がたんがたんと私の心は彼女の仕草で揺れ動く。だから私も自分の身体を地面に押し返した。


「うるさーい」

 言い返す言葉が見つからなくて、私は雪歩をベッドに押し倒した。知ってはいるけれど雪歩の身体はとても軽くて、彼女の身体は容易にベッドに落ちる。全休符。浅い息が聞こえる。震える瞳と硬直した身体はまるでこれから訪れる何かを待ち望んでいるように見えた。
 中途半端に開けられた口。その奥の喉から震える言葉はどのようなものだろう。ひゅうひゅうと緩い風切音。


「家族の人に聞こえちゃうよ」
「だったら聞こえないようにすればいいよ」

 潤む瞳、か細い声。
 小動物を思わせるその仕草が可愛いと思うと同時に、いじめてもっと困らせてやりたいという思いが生まれる。

「雪歩はどうしたい?」 そう追い討ちをたてるように私が耳元でささやくと、
「……きて」 熱っぽい声が返ってきた。



   呼吸が、鼓動が、大きく震える

   あぁ、やっぱり雪歩には敵わないや


 私は自分の身体をベッドに沈めた。指先を絡めて、脚を摺り寄せる。脚の付け根に近いところに達すると、そこは少し濡れていて、あぁ興奮しているのは私だけじゃないんだと少し安心した。


 身体を摺り寄せてくる春香ちゃんの身体はとても熱くて、私に触れるのを今か今かと待ち望んでいるようだった。それでもゆっくりと私の身体を慰めてくれる彼女を思うと、鼻の奥がきゅんと呻いた。ここ一番で臆病なんだから。だからこそ、好きになったのかもしれないけれど。

 そういえば、と思い返す。私、春香ちゃんにバレンタインのお菓子渡してなかったんだ。
 でも、まぁいいか。行為が落ち着いた後に渡した時の春香ちゃんの申し訳なさそうな顔が浮かんで、ちょっとおかしくなった。
   
「雪歩?」
「ん?なんでもないよ」
「嘘、絶対に何か隠してるでしょ」
「隠してたら、どうするの?」

 春香ちゃんはうーんと逡巡した後、

「どうすることもできないか」

 悪戯っぽく笑って、私にキスをした。

 
 












R18を書くといったのにKONOZAMAですよ!\(^о^)/ coro先生ごめんなさい!
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by 6showu | 2010-02-16 19:57 | SS


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