あいますにあいます

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2010年 01月 18日

はるちはSS書きました

お久し振りです。小六です。
どうやら僕はいじられポジションにいることが判明致しました。カムバック知的なキャラ!

先日、初めてついったーで包囲網を敷かれました。
元は確か僕が言い出したはずではなかった気がするのですが…きっと気のせいですね!

そんなわけではるちはSSです。
こういうほっこりした感じのSSを書くのは久し振りなので、書いていて何だかとても幸せでした。

【追記】 なんと…ラディカルエクセレントハイクオリティグッドスピード持ちの晴嵐改様にイラストを頂きました!
      イラストはSS中に挿絵として掲載させて頂いております。本当にありがとうございます!

以下、SSとなります。







 テレビをぼうっと眺めながら、私は適当な歌を口ずさむ。電気ポットからお湯が注がれる音が聞こえた。
 私はコタツに入りながら、のんびりとその温かさを堪能している。
 そういえばコタツに入ったなら蜜柑を食べないと。だけどコタツに出るのは寒いし。どうしようかなぁ。
 出るか出るまいか、そんなどうでもいいことに頭を悩ませていると、台所から彼女が呆れた顔をしてやってきた。


「……一体何の曲よ、春香」
「え、コタツの歌だよ。さっき作ったんだ」
「相変わらずよく分からない歌を作るわね…」


 寝転がっていた私は千早ちゃんを見上げる。笑っているような困っているようなヘンテコな表情。
 千早ちゃんは緑茶の入った湯呑みをコタツの上に置いて、私の隣に座った。




    ―――― 低温やけどに御注意を ――――




 ついこの間の話だ。千早ちゃんの家にコタツが入ったということで、これ幸いと私は千早ちゃんの家に遊びに来たというわけだ。久し振りの彼女の部屋。8帖のリビングの真ん中にどーんと存在感たっぷりに鎮座したコタツを見て、「あ、本当に買ったんだ」と実感した。


   だってほら、千早ちゃんがコタツでくつろいでいる姿なんて、想像できないし


 まぁそんな違和感もしばらくコタツに入れば忘れてしまうわけで。私はまるで我が家の自室のようにくつろいでいた。
 出るのがめんどくさいから千早ちゃんにお茶をもってこさせたというわけではない。私が部屋に入ってしばらくすると、千早ちゃんは「それじゃあお茶でも淹れましょうか」と言い、台所に向かったわけです。別にいいよ、と言ったけれど、「流石にそれは悪いから」「春香はコタツでゆっくりしていて」とかなんとか千早ちゃんに言いくるめられてしまったわけで。
 そんな感じで、現在に至る。ちなみに歌は即興である。やっぱり冬はコタツにかぎるよね!

 隣できちんと座る彼女を見て、ああ千早ちゃんらしいなぁと感じると同時に、もっとくつろいでもいいのにという変な老婆心が生まれてしまう。私は緩慢な動きで起き上がり、テーブルに置いてある湯呑みを手に取る。指から伝わる温かさが心地よい。 
 

「千早ちゃんの部屋なんだから、いつも通りにしてればいいのに」
「春香にそう言われると、どっちがお客さんなのか分からなくなるわね」
「む。それって私がずうずうしいってこと?」
「さぁ、どうでしょうね」


 千早ちゃんは楽しそうに笑って私の問い掛けをいなした。コタツに入ったらこうなるのが普通なんだよ、とかなんとか文句の一つも言いたかったけれど、千早ちゃんが幸せそうな顔をしているので止めにした。その代わりに年寄り臭くお茶をすする。ずずず。


「そういえばさ」

 今まで結構通い慣れていただけあって、千早ちゃんが淹れてくれるお茶はまさしく私好みの味と温度で。心地よい温度が身体に浸み込んでゆく。

「なんでコタツなんて買おうと思ったの?」
「何でって…冬だからでしょ。『冬はコタツにみかんだよ』って言っていたのは春香じゃない」
「まぁそうなんだけど……」

 お茶をちびちびと飲んでいた千早ちゃんは、静かに湯呑みをコタツのテーブルに置いた。

「らしくない?」
「そう、らしくない」


 そうだ。千早ちゃんなら「暖房があればコタツなんていらないでしょ」と一蹴するはずなのだ。
 立ち上る湯気を吸い込みながら私は千早ちゃんの方を伺った。
 隣の彼女は考えをまとめようとしているのか、視線を斜め上に遣っている。
 テレビの先にある小さな窓が、かたかたと冬風に震えていた。冬の空気は騒がしい。



「そうね……」
「うん」

 私がお茶を一口

「あえて理由を言うとしたら」
「うん」 

 千早ちゃんがお茶を一口


「春香が来るから、かしら」


「うんうん。……って、ええ!?」

 思わずお茶を吹いてしまいそうになった。そんなさらっと言わないで下さい。
 千早ちゃんと言えば、咳きこみむせる私の姿を不思議そうに見ている。

「そんなに驚くことじゃないでしょ」

 冬のポプラが揺れるような、そんな顔をして彼女は笑った。
 ああそうだね。千早ちゃんってそういう人だよね。
 知っていたけれど、やっぱりその言葉に驚いてしまって、私は声を忘れてしまう。
 
「前に春香が来たときに、ほら言ったじゃない。『コタツでぬくぬくしたいー』って」


   だから買ったのよ。意外にいいものね


 千早ちゃんは普通の会話であるかのように、何のこともなく言ってのけた。
 だからって。だからって。それは反則だよ、千早ちゃん。


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 私が来るからコタツを買ったとか、私がコタツでくつろぎたいからコタツを買ったとか。
 今までどれだけの頻度で千早ちゃんの部屋に来ているのかが暗に伺われて、
 私がどれだけ千早ちゃんと一緒にいたいと思っているかが形になってしまったような気がして。

 急に顔が熱くなる。その理由が何なのか位自分でも分かっている。
 ああ、とか、うぅん、とか呻きながら私はコタツに顔を埋めた。布団からは柔らかいお日様の匂い。普段は落ち着く匂いのはずなのに、この布団を千早ちゃんも使っているんだと妙に意識してしまって、余計にドキドキしてしまう。


「春香?」
「……なんでもない、です」 

 ぶくぶくとお風呂に顔を沈めるように、私はコタツの中に身体を押し込んだ。布団の隙間から漏れる赤い赤外線ランプが自分の心を表しているみたいで、少し悔しい。
 恥ずかしさで火照った顔を見せるのは流石に恥ずかしくて、亀のように身体を引っ込めて千早ちゃんから顔を逸らした。


「ほんと、変な春香」
「私は変じゃないよぅ」


 本当に、ずるい。

 いつもは私が主導権を握っているはずなのに、千早ちゃんはたまにこうして私の隙を見事についてくるのだ。
 それがとても嬉しくて、ちょっと悔しくて。もぞもぞとした温かい気持ちをやりきれない私はコタツの中の千早ちゃんの足を軽く小突いた。つつかれる感触に気付いた千早ちゃんは、私の足から逃れるようにその足を動かした。逃がしてなんかあげないんだから。
 私はごろりと身体を動かして、逃げる千早ちゃんの足を追いかける。あー、千早ちゃんのふとももって綺麗だなぁ。


「春香・・・なにして・・・」
「んー?なんのことー?」

 言葉ではとぼけながらも、私は千早ちゃんの腰に両手を回して倒れ込んだ。すると千早ちゃんもそれに応じて倒れ込むわけで。
 かわいい悲鳴を上げて倒れ込むその瞬間を逃さない。私は強く彼女を抱きしめた。背中越しに彼女の肩に顔をよせると、ふわりと千早ちゃんの匂い。


「やったわね・・・!」

 横顔から睨みつけられる視線。そんな顔してもかわいいだけなんだけどなぁ。私は意地悪い顔をして笑った。

「へへー。負けないもんね!」


 一体何に負けないつもりなのだろうかという疑問が頭の隅をよぎったけれど、そんなことはどうでもよかったのかもしれない。
 私と千早ちゃんはコタツの中での応酬にしばらくの間興じることになった。本当にどうでもいい、バカらしくてつまらない遊び。だけど、どうしてここまで夢中になれるのだろうかという位に、私と彼女は夢中になってしまった。
 バカらしい遊びは、がたんとテーブルが揺れたのをきっかけに終わった。


「あ」

 あまりに夢中になりすぎたのか、コタツで暴れまわる足がテーブルを押し上げて、テーブルの上に置いてあった湯呑みが転がってしまったのだ。
 にゅっと顔だけ上げると、案の定湯呑みが転がっていて、中に入っていたお茶がテーブルの上にこぼれていた。


「……春香」
「あー、その…ごめんなさい」
「よろしい」


 さすがに悪ふざけがすぎてしまった。そう思ってしょんぼりとしていた私の頭を千早ちゃんは優しく撫でた。
 だけどにこにこと綻んだ彼女の顔を見て、ああそんなに怒ってないんだと少し安心してしまう自分がいて、我ながら単純だなぁと苦笑してしまう。やっぱり私は千早ちゃんが好きなんだなぁと実感する。
 にへにへと笑っていると、気持ち悪いわよ、と千早ちゃんからお叱りを受けてしまった。残念。


「さすがにこのまま放っておくのもね」


 何か拭くものでもとってくるわ、そう言って千早ちゃんは立ちあがろうと身体を起こそうとする。
 離れていく温もり。それがとても恋しくて、放したくないと感じてしまう。

 だから、私はテーブルにかけた千早ちゃんの手をとって、そのまま押し倒した。カーペットに落ちた身体。その身体に自分の身体を寄せて、ごろごろと首元に鼻を押し付けた。これじゃまるで暖を人肌でとろうとする猫みたいだ。


「ねぇ、千早ちゃん」




   …… もうちょっと、このままで



 千早ちゃんの首元は、やっぱりお日様の匂いがした。














 甘過ぎて脳汁が溶けだしてしまいそうです。コタツって素敵ですね!!\(^о^)/
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by 6showu | 2010-01-18 06:23 | SS


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