2010年 01月 04日

ひびまこSS書きました

3ヶ日も終わりですね。小六です。
実は先日、敬〇Pさん、ひゃく〇Pさん、シュK〇さんとお話をする機会がありました。

百〇さん: SPのエンディングでPが響を追いかけるのにはどうも納得がいかない。
小〇   : ああ、確かに。 (←何となく相槌だったなんて言えない)
百〇さん: こう、噛み付くようなキスをだね。
小〇 : あー、いいですね!ぐっときました!IU決勝後のひびまこSSとか、いいですね。

 以下、妄想が流れ始める。バカ釣れに定評のある小〇は大いに喰い付く。

百〇さん: じゃあ続きは小〇さんが書けばいいじゃない。
小〇   : え?!
シュKOさん: 書いたらいいぜよ。
小〇   : じゃあ書きます。

こんな感じで見事にフィッシュオンされた小六さんは、IU決勝後のひびまこSSを書くことになりました。
以下、SSとなります。







「響の様子、見てくるよ」

 そう言ってプロデューサーは会場を後にした。プロデューサーに任せると言った手前、ボクは何をすることもできない。ボクだって響のことは気になる。笑っていたけれど、心の中ではきっと泣いているはずだ。そういえば、と思い返す。響はボクに弱みを見せたことがなかった。いつだって笑っていた。ボクはいつだって響に励まされていた。
 長机に腰をかけてプロデューサーが出て行ったドアを見る。ボクに出来ることって、何もないのだろうか。
 
 楽しいだけじゃ、ダメなのかな。
 行くべきか留まるべきか、ぶらぶらと足を揺らしながら、その先の床を見つめる。

「あーもう!」

 やりきれない気持ちを机に叩きつけると、周りの人達が驚いた顔をしてボクの方を見た。すみませんと軽く謝る。何だか居づらい。プロデューサーもいないし、響もいないし、誰かと話そうとしても、この2人以外とはあまり話したい気持ちになれなかった。
 それならばいっそのこと。ボクは会場を出た。うじうじ考えるなんてボクらしくもない。響に会いたいならば、こちらから会いにいけばいい。係員の人に伝言を頼んだ後、ボクは廊下を駆け出した。



 
    ―――― ライオンの遠吠え ――――




 思いつく場所はあらかた探したけれど、結局響の姿は見つからなかった。

 まだボクが探していない場所はあるはずだ、そう自分に言い聞かせて屋外の非常階段のドアを開ける。外は空は青くて晴れているのに、ぽつぽつと雨が降っていた。ぐるりと周りを見渡すと、ようやく探していた姿が見つかった。
 黒と金の衣装を身にまとう彼女は、階段脇にもたれかかって背中を静かに震わせている。

 階段脇でひざを抱えていた少女は、遠目から見れば親に見捨てられた子供のようだった。
 まるで別人だ。そう思わせる程に彼女の姿は小さくて壊れそうに見えた。階段を少し降りると響は人の存在に気付いたのか、立ちあがって僕の方を見た。ボクは構わず響の隣まで階段を降りる。


「ひびき」

 声をかけると同時に胸ぐらを掴まれて、唇に柔らかい感触を覚える。
 何をされたのか全く理解できなくて、それがキスと気付くまでボクはただ呆然としていた。キスというには余りにも乱暴な口付け。

「どうして」
「どうして?聞きたいのはこっちの方だよ」


 獣が唸るような声だった。下手なことを言えばすぐにでも噛み殺されそうな目付き。
 敵意にまみれた振る舞いにたじろいでしまいそうになる。

 プロデューサーならば上手い言葉でも見つかるのだろうけれど、ボクにはそんな頭なんてなくて。
 ただ心に思ったことを口にするしかなかった。


「会いたかったから」
「結構な御身分だな」

 悪態をついて響はボクから離れる。案の定その目には涙が浮かんでいた。そっと顔に手をやると、無造作にはねのけられた。
 建付けの悪い非常階段は風にあおられて不安な音を鳴らしている。響は乱暴に涙をぬぐって、再びボクの方を見た。

「さっさと帰りなよ。プロデューサー、待ってるんだろ?」
「プロデューサーも響を探してるよ」
「……二人して、ホント能天気だな」

 雨が少しずつ強くなってゆく。鈍色の雲がずんぐりと青空を覆っていく。

「お前ら二人だったらさ…どんな道だって進んでいけるんだろうな」
「へっへー。僕もプロデューサーも、相思相愛、だからね!」


「…そっか」

 暗くなっていく空を見上げながら、響はぽつんと呟いた。
 陰りを帯びたその言葉は、何故だか響がどこか遠くに行ってしまいそうな予感を覚えさせるものだった。
 何故だかとても不安になって、ボクは彼女の名前を呼んだ。


「…響?」
「真、約束してくれるか?」
「何を?」
「自分のこと…キライにならないでくれ」


 響らしくない、弱気な言葉だった。どうしてそんなことを言うのだろう、不思議に思いながらもボクは頷いた。

「ありがとな」

 彼女の癖なのだろうか、響は頭を掻いて、力なく笑った。
 雨の勢いが次第に強くなってくる。たんたんと頭上の階段から雨音が鳴り始めていた。


「響、もう雨も強くなってきてる。中に入ろうよ」
「ん、そうだな。真は先に帰ってていいぞ」

 一緒に帰ろうよ、そう言いたかったけれど、響の苦々しい顔を見てやめようと思った。
 全力を出したなら悔いはないなんて人は言うけれど、それは半分間違えていると思う。負けることは悔しい。めちゃくちゃ悔しい。もう所構わず当たり散らしたい。人と競争するにあたって、このモヤモヤとイライラは決してなくならない気がする。

 だからボクは「分かったよ」とだけ呟いて、中に戻ろうとした。



   なぁ、真。ちょっといいか?

 

 階段を上がろうとすると、響に呼び止められた。さっきまで暗かった表情から一転、彼女はとてもさっぱりとした表情だった。

「なに……!!…っ」


 振り向きざまに温かい感触。

 2度目のそれが何だったのかなんて、頭では分かっていたけれど、突然のことに身体が固まってしまう。
 微妙な身長差のせいなのだろうか、ボクの衣装は響の両手に強く掴まれていた。至近距離にある響の顔をぼうっと見ている。伏せられた瞳からはその思惑を推し量ることなんてできやしない。微かにまつ毛が震えていた。
 ようやく唇を離してくれた彼女は、「そういうことだから」と言ってボクの身体を強く押しのけた。ぐらりと倒れてしまいそうになる。


「そういうことだから…ってなんだよ」
「あー、餞別だよ。さっさとプロデューサーのところに戻っちまえ」


 顔を伏せて、まるで嫌な人間でも追い払うかのように響は手を振っていた。
 いったいなんだっていうんだ。ボクは軽く奥歯を噛み締めた。

 だけど、何となく、何となくだけど響の気持ちが分かるような気がして。
 ボクは彼女に強く出ることが出来なかったから、

「なんだよ…響もさっさと帰りなよ」
 
 そう言い残して屋外の階段を後にした。
 屋内に入るとボクを探していたスタッフに囲まれて、ボクはそのまま楽屋まで連れ去られることになるのだけれど、




    扉の向こう側から、ライオンが泣き叫ぶ声が聞こえた




    そんな気がした。












ニコ動でSPコミュをガサガサ探していたら「調べ過ぎ」と怒られて、視聴を弾かれたのは良い思い出です^q^
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by 6showU | 2010-01-04 21:13 | SS


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