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2009年 11月 21日

百合m@s108式用SS: 「午睡」

お久し振りです。小六です。

最近気づきました。ペース配分って大切ですね。
ゆきまこ書くぞ!と心に決めて4日間。きちんと書き始めたのが今日からだったりとか。
もうね、なんだろうね、オイラ爆発しちゃえばいいのに!!

というわけで、百合m@s108式用SSです。

タイトル:「午睡」
お題:「鎖骨」
カップリング:雪歩、真


【追記】 なんとなんとなんと!神速持ちの超有名絵師様である晴嵐改様から挿絵を頂きました。
      挿絵はSSの中に添付しておりますので、どうぞこころゆくまでご堪能下さいませ。
      この場をお借りして、晴嵐改様に御礼申し上げます。いつもありがとうございます!

いかがわしいですが、エロ成分はないというよく分からないSSなのでご注意下さい。
以下、SSとなります。






 台所を出るとうだるような暑さが私の身体を包んだ。


縁側を歩くと、濡れたアスファルトのむせかえるような匂い。

一つ息を吸って、その匂いを楽しむ。真夏だけの匂い。ゆっくりと息を吐く。
香りというには品がないけれど、それでも何故か心が惹かれてしまう匂いだ。
庭の木からはひっきりなしに蝉の声が聞こえていた。私は氷の入ったグラスを二つお盆に乗せて彼女の待つ部屋へ向かう。


「真ちゃん、入るよ」

グラスに入った麦茶をこぼさないよう、私はそっと襖を開ける。
襖を開けたその先には畳の上で寝転がっている真ちゃんがいた。
私の声に気づいた彼女は、顔の上に乗せていた参考書を取り、寝転んだままの状態で私の顔を見上げる。


「ありがとう、雪歩」


ゆるめのTシャツにいつものジーンズ。
だらしないよとたしなめると、ここには雪歩しかいないからいいんだ。そんな生返事が返ってくる。彼女は寝転がったまま。
まったくもう、そんなことを言われたら怒りようがないじゃない。私はほとほと弱ってしまった。

別に急ぎの用があるわけでもない。
ひとまず私は両手に持ったお盆をテーブルに置くことにした。そして汗のかいたグラスを一つ手に取り、彼女に差し出す。


「はい、真ちゃん」
「へへ、ありがと。ちょうど喉乾いてたんだ」


真ちゃんは起き上ってグラスを受け取り、美味しそうに麦茶を喉に流し込んだ。
ごくりと麦茶が彼女の喉元を通り過ぎていく。グラスに乱反射する夏の光。
私も彼女にならってゆっくりと麦茶に口をつけることにした。

蒸し暑いとはいえ夏である。麦茶の冷たさがじわりと身体に染み渡ってゆく。
短いとはいえ夏休みを満喫していることを実感させてくれる。


「それにしても。真ちゃんが私に勉強を教えてもらいたいなんて頼むの、久しぶりだね」
「夏は忙しいからね」


そう言って真ちゃんは寝そべったままずりずりと畳を這って、鞄から可愛いスケジュール帳を取り出す。
世間一般の高校生が夏休みと言われる時期。
スケジュール表の中の夏休みは仕事でびっしり詰まっていた。
今日は久しぶりの休みという訳である。とはいえもう夏の終わりで、私達の夏休みは蝉の鳴き声よりも短い。


「ライブでしょ、ドラマ撮影、それに誕生日ライブもあるし、家に帰ったらもうへとへとで」
「宿題なんてする暇がなかった」
「そうそう」


真ちゃんはテーブルに置いてあった皿から一つ、スイカを手に取りかぶりついた。
美味しそうに食べるその姿が微笑ましい。
口元についたスイカを彼女は舌でぺろりと舐める。
その仕草は幼さを感じさせるとともにどこか淫美な印象を受ける。


「真ちゃん、だらしないよ」
「いいのいいの。別に誰がいるってわけでもないし」

彼女は私の言葉を適当に聞き流し、しゃくしゃくとスイカをかじりながら参考書を机に広げる。

真ちゃんが私の家に来るのは今が初めてというわけではない。
今日みたいに二人とも休みの日には、こうして二人でおしゃべりをしたり勉強会をしていたりした。
「雪歩の家は友人の家っていうよりも、ボクの家みたいなものかな」と、以前私に言ったことがある。

だからこそ、このだらしなさなのだろう。まるで思い出したように家を訪れるノラ猫みたいだ。
スイカを夢中になって食べる彼女の姿を見てそう思った。


「次は…この問題だね。この問題は私も解いたことがないかも」
「うぇ…雪歩が解けないんじゃボクが解けるわけないよ」
「人に頼りっきりもよくないよ。私も頑張るから、真ちゃんも一緒に頑張ろ?」
「はーい」


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煮え切らない返事をして、真ちゃんは渋々とシャープペンシルを右手に夏休みの課題と格闘する。
ノートに記されては消されてゆく彼女の文字。
まっすぐなのにどこか丸みのある、私が知っている彼女の文字。
頭を抱えながら、彼女は教科書をめくり、解答を舐めるように凝視し、一つずつ答えを埋めてゆく。
私も彼女に負けていられない。手に負えそうな問題の目星をつけて、ぺたぺたと付箋を貼ることにした。



  ねぇ真ちゃん。


      あなたの隣にいる人って、本当にあなたが思うような人だと思う?








   ――――――――― 午睡 ――――――――――










  ぽつぽつ



雨の音が部屋の外から聞こえたかと思うと、いきおい降り出す大粒の雨。
ざぁざぁという大きな雨音で目が覚める。


ぼんやりと瞳を開けると、その先には真ちゃんが気持ちよさそうに眠っていた。
勉強が一段落して畳の上に寝転がっていた私達は、そのまま昼寝をすることにしたのだ。
部屋の中が少し暗く感じる。
大分眠り込んでしまったかと思って時計を見ると、時計の針はまだ2時間も進んでいなかった。


「…真ちゃん?」

今日は泊まりの予定ではない。私は小さな声で彼女の名前を呼んだ。
目の前で眠る彼女は、私の声には気付かないまま深く眠り込んでいるようだった。


 狼が唸るような低い音。雨交じりの風が窓の外から吹き込む。レースのカーテンが大きく揺れていた。


私は彼女を起こさないよう静かに起き上がり、窓と襖を閉めることにした。
窓と襖を閉めると雨と風の音が幾分か弱まった。密室。真ちゃんの呼吸の音が妙に耳に響く。
真ちゃんの元へ戻り、その隣に座って彼女の顔を眺める。
その無垢で無防備な表情を見て私は自然と笑みが漏れる。


ゆるいTシャツの襟元からは鎖骨と胸元がちらりと覗いていた。
白く透明な肌、なめらかな女性だけのカーブ。
私の指は自然とそこに誘われてしまう。触れるか触れないかの距離。


 ああ、この肌に触れることができたらどれだけの幸せを感じることができるのだろう。

未だ感じたことのない期待に胸の奥が締め付けられる。


その薄布に隠れた胸の蕾はどんな色と味をしているのだろう。
その蕾を舌先で味わう時、彼女はどんな声で私の名前を呼ぶのだろうか。
人の心を惑わせるその痺れるような低い声は、高い嬌声となってカモシカのように切なく私の名前を呼ぶのだろうか。

私だけが聞くことのできる声。私だけに聞かせてほしい声。



  目の前の彼女はいまだ眠ったままである。



しどけなくはだけた彼女の柔肌に顔を近づける。深く息を吸い込むと甘い汗の匂いがした。
甘美な香りは私の心を落ち着かせるとともに、ある種の情欲がのたりともたげてくる。
あなたの顎を、鎖骨を、胸の谷間からみぞおち、足の指の間まで。この舌で愛撫したい。
快楽で震える腰を抱き、尻の曲線をねっとりとなぞりあげ、目尻からにじむ涙を舐めたい。
彼女の肌を穢したいという欲情は収まりを知らず、私の血を巡り、身体を熱くさせる。



さきほど喉を潤したばかりなのに、喉が火傷をしたように渇きを訴える。
煙った火が高濃度の酸素ガスに放り込まれて、体中が激しく炎を上げているように感じた。
胸の奥にコールタールを流し込まれて、消えることのない炎にあぶられているような疼痛を覚える。


 ああ、まるで薬物中毒だ



息をひそめてさらに顔を近づける。

伏せられた瞼。時折ふるりと揺れるまつ毛。彼女の呼吸の動きが肌で感じることのできる距離。
そっとそこに口づけをしたいと思うけれども、結局はためらってしまう。
唇に視線を移す。微かに開いたその口元からは、規則的に吐息が漏れている。


  甘い匂い

      その正体が知りたくてゆっくりと鼻を近づける。


ねっとりとした甘さではない、むしろ透き通るような甘さ。それでいて鼻腔に残る甘さ。
それがスイカの匂いだと気付くのに余り時間はかからなかった。
スイカの果汁でてらりと濡れた唇。ごくりと私は息を飲む。
その情欲のおもむくままに、あなたの舌を捕えたい。
甘い甘いスイカの匂い。上顎の裏を舌先でなぞって、その唾液の匂いをこれでもかという位に堪能したい。


 いっそ唇ごとあなたの全てを奪ってしまいたい


そんな灼熱が身体を駆け巡る。


そう、一瞬だ。ただ一瞬の悪戯なのだ。
彼女に気づかれさえしなければ、何もなかったことにできる。
知っているのは私だけで、私だけがその罪を胸に秘めておきさえすればいいんだから。
秘密でいさえすれば、色々と都合もいいしね。



 たった一瞬なのだ


だけど、その一瞬の悪戯ができないまま、私は目の前で眠る彼女と向き合っている。
いつもは何の気兼ねなく話すことができるのに、今まで何度も彼女の身体を見てきているのに。
それを自分のものにしようとするとなると、途端に足踏みしてしまう。

てらりと濡れた唇はいまだ私の心を惹き付けたままで、私は彼女の唇から目を離せないでいる。
彼女に気付かれないように、彼女の指の隙間に自分の指を滑り込ませた。
ぴくりと動く彼女の指。起きてしまったのだろうか、私はひそめていた息をさらにひそませる。
しばらくすると、規則的な呼吸が彼女の口に戻り、私はほっと胸をなでおろした。

少しくたびれた彼女のTシャツ。
Tシャツにプリントされているセクシーな女性は彼女の汗を吸い、ひくひくと呼吸に合わせてその表情を変えている。
すぅすぅと上下しながら私を見遣るTシャツの女性。そんな視線で私を見ないで。
私が好きなのは、真ちゃん一人だけなんだから。
Tシャツから目を逸らすと、彼女の鎖骨が見えた。寝汗が音もたてずにそこから胸元へと流れ落ちた。


ああ。あなたの濡れた素肌を抱きしめて、その汗ごと全てを抱きしめてやりたい。
力強い太陽のような雰囲気に隠された、華奢な身体を私という存在で占領してやりたい。
快楽に浮かばされた彼女の表情はどれだけ魅惑的なものだろうと夢想する。

知らず知らずのうちに指が彼女の肌へ誘われる。 だけど触れることなんてできない。







   目の前の彼女はいまだ起きる気配を見せない


ねぇ、もしかして、真ちゃんは私の気持ちに気づいていて、その上でこの態度をとっているのかな。
そうだとしたらちょっとズルイな。私の気持ちに気付いていて、それで今までと変わらない笑顔を私に見せているんだから。
まぁ、真ちゃんに限ってそれはないのかもしれない。
狸寝入りをしてごまかせるほど、ひねくれた人間じゃないのは私がよく知っている。


「真ちゃん」


私は彼女の名前を呼んだ。


「真ちゃん」


二度目の呼びかけで、ようやく彼女はうっすらと瞳を開ける。
未だ開ききっていない瞳は寝起きのためか少し潤んでいるように見えた。
私はじっと彼女の顔を見つめ続ける。


「雪歩…どうしたの?」
「別に何もないよ」


真ちゃんにこんな気持ちを抱くようになったのは、いつからだろう。
ねぇ真ちゃん。真ちゃんが思っているよりも、私の想いはずっとずっと深いんだよ。


半開きの襖の外からサイレンが聞こえる。
ついさっきまで降っていた雨は、いつのまにやら止んでいて、薄い雲から陽光が漏れ出しているのが窓の外から見えた。
ああ、夏は終わってしまったのだ。私は軽くため息を吐く。


「ねぇ真ちゃん。もうそろそろ帰る時間だよ」
「そっか」
「うん。だから起きよう?」



 ごめんね真ちゃん。あなたが思うような私じゃなくて


私はそっと部屋の襖を開けた。















これを書いていて思いました。エロにはセリフがかなり重要だということに 遅いよ!\(^о^)/
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by 6showU | 2009-11-21 23:24 | SS


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