2009年 11月 12日

あみゆきSS書きました。

お久し振りです。小六です。

「爽やか」をテーマにあみゆきSS書かせて頂きました。

あみゆきとは、これいかに。

答えは合作。「爽やか」をテーマに島原薫様、トリスケリオンP様と合作させて頂きました。
本当、ついったーの力にいつも助けられております。ついったーありがとう。
同じテーマで島原薫様、トリスケリオンP様がSSを書いておられますので要チェックですよ!

ええ、言いだしっぺが僕なのに、遅刻したのも僕です。
どうみても出来ない大人ですみません。この場をお借りして謝罪させて頂きます。

以下、SSとなります。






 夏の夕暮れ 陽は沈み


思うがままに言葉を紡ぎながら、私は事務所へ歩を進める。

 
 蝉の鳴き声 夕餉の匂い

仕事帰りにお茶菓子を買って、のんびりと景色を眺めながら歩く。
そうしているうちに公園が見えてきて、子供達がまだ遊んでいるのが目に入った。

 子供と笑う かげぼうし

最近は公園で遊ぶなんてしなくなったなぁと考えながら、子供が遊んでいる風景を楽しむ。
穏やかに流れる時間、私は無意識に笑みをこぼす。





「ゆきぴょん!どいて―っ!!」




ゆっくりとたゆたう時間は少女の聞きなれた声で破られた。


「…あ、あみちゃ…ってえええ?!」


突然視界に入ったと思ったら、そのままの勢いで私と亜美ちゃんは正面から激突した。
確かに前方不注意だったかもしれない。
しかし、彼女と激突したのは前方というよりも斜め上だった。




 ――――――― スプラッシュ! ――――――――







「まさかゆきぴょんが来るとは思わなくてさ、ビックリしちゃった」
「私も亜美ちゃんが空から降ってくるとは思わなかったから、ビックリしたよー」


私と亜美ちゃんは公園のブランコに座りながら会話をしている。
亜美ちゃんは手持無沙汰なのだろうか、ゆっくりとブランコをこぎ始めた。


   突然の襲撃者は空から舞い降りた


亜美ちゃん曰く、「木から飛び降りたらゆきぴょんがいた」のだそうだ。

危ないよと注意を促してみると、亜美ちゃんは
「普段は成功してるんだよ。今日はたまたまゆきぴょんが歩いていたから失敗しただけで」
そう言って、いっしっしと笑った。


気がつけば彼女のブランコはかなりの高度にまで達していた。


「それにしても、どうしてこんなところにいるの」
「おおっと!それはビミョートクミツってやつだよ!ゆきぴょん」
「それを言うなら企業秘密じゃ、ないかな」
「んー。そうとも言うかもしれない」

亜美ちゃんはブランコから飛び降りた。
大きく揺れるブランコの勢いそのままに、彼女は曲芸師のようにふわりと宙を舞い、着地する。
子供の身軽さに思わず見入っていまう。私はブランコに腰をかけたまま尋ねた。


「それで、どうして」
「革命というやつなのさっ」

ブランコの境界柵を越えた先、亜美ちゃんはパーカーのポケットから何かを取り出し、それを見せる。


「…水風船?」
「そうそう、ゆきぴょんも知ってるんだ。水風船」

亜美ちゃんは水場に向かって水道の蛇口をひねると、風船はあっという間に膨らんだ。


「これを20個位作って、にっくき魔王をギャフンと言わせてやるのだ」
「ま、まおう…」

「そう、魔王」

彼女は膨らんだ水風船を慣れた手つきで完成させ、それを空へ向かって投げつけた。
カドミウムイエローの水風船は勢いよく放物線を描いてから、地面に落ちる。べしゃり。

ふと彼女の方へ視線を移す。

亜美ちゃんはそれを片づけることもなく、ぼんやりとと彼方を眺めていた。
ぐっと拳が握り締められる。その横顔は逆光のためかよく見えない。


「…亜美ちゃん?」

私の声に彼女は振り返る。その唇は真一文字にきつく噛み締められ、微かに震えていた。







 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆





話を聞くと、真美ちゃんが学校で誉められたらしい。

   別に真美が悪いってわけじゃないんだけどね  亜美ちゃんは鉄棒に手をかける。

そこで先生が『亜美ちゃんも真美ちゃんみたいな子になりなさいね』と言ったらしい。

   ただそれだけなんだけどね

その言葉に亜美ちゃんはカチンときたらしい。


  「だって、亜美は亜美だもん」 

亜美ちゃんはそう言って、くるりと逆上がりをした。 



「なるほど、そんなことがあったんだ」

ブランコから降りた私は、亜美ちゃんのいる鉄棒の辺りに向かう。


「そうなんだよー。このオトナゲな亜美さんでも流石にむかむかーと来ちゃった」

先程の激情が少し収まったのか、彼女はおどけた感じで事情を話してくれた。


「だから、ギャフンと言わせたかった」
「そう、ギャフンと。てってーてきに」

亜美ちゃんはこれまたパーカーのポケットから飴玉を一つ取り出し、ぽいっと口に放り込んだ。


「ゆきぴょんも一ついる?」
「じゃあ一つもらおうかな」
「何色がいい?」
「何色…?じゃあ水色で」
「水色とはねぇー、お客さん通ですなぁー」

実は水色のは残り一個だったんだよ、そう言って彼女は私にソーダ味の飴玉をくれた。


「まいどー。お代は100万円だよ」
「えっ!そ、そんなに払えないよ」
「にっしっし。そんじゃ身体で払ってもらいまひょか」

「…どこでそんな言葉覚えたの」
「それは、ナ・イ・ショ・だよーん」

大方どこかのテレビドラマで覚えたものなのだろう。したり顔で笑う亜美ちゃん。私は深くため息をついた。



「もっと穏便に解決できると思うんだけど…」
「うーん。たとえば?」
「先生に話す…とか?」
「それはヤダ」

「だけど、そんなことしたら余計ややこしくなっちゃうよ?」
「それでもヤダ」

亜美ちゃんは頑として話合いを拒んだ。むすっとした顔をして私から視線を逸らす。
何だかんだ言って小学生なんだな。私はクスクスと笑って彼女に話しかける。


「ねぇ、なんで?」

「なんで…って何となく。理由は分からないけれど、絶対にイヤだよ」
「大人と話しても、絶対に分かってくれない、とか?」
「そうそう、そんな感じかも」

探していた答えが見つかったのか、亜美ちゃんはパチンと指を鳴らした。

「よーし、さっきの飴ちゃんはサービスしてあげよう」 
「…本当に払わせる気だったんだ…」

ニシシと彼女は笑う。


「小学生も色々大変なんだよ。ねちっからい世の中ですから」
「それをいうなら世知辛い、だよ」
「そうともいうー」

とぼけた声を出して、亜美ちゃんは私の方を見る。数秒。私達は何だかおかしくなって大笑いしてしまった。









「そういえば、なんで水風船なの?」
「え、だからギャフンと言わせるためだよ」

「うん。それは知ってるんだけど…なんで水風船を使うのかなーって」
「ああ、それはね」



「おーい。亜美、雪歩ー、俺だー」
  
   
   聞き慣れた男性の声。プロデューサーだ。


「いっしっし。ちょーどいいところにターゲット確認。ゆきぴょん、ヨロシク」
「へっ?…って何をヨロシクなの、亜美ちゃ…!」

プロデューサーの声を聞くや否や、亜美ちゃんはネズミのようなすばしっこさで水場に走った。



  あぁ、そういうこと



「二人ともそこで何してるんだ。ほら、早く事務所に戻るぞー」

何の事情も知らないプロデューサーは、来る惨劇に気づかぬまま、私達のもとへ近寄ってくる。
つまり、亜美ちゃんは私に共犯者になってくれと言ったのだろう。


「あああ、あの!プロデューサー!ちょっとそこで止まっていて下さい!」
「…は?」


     目一杯回されるハンドル。瞬く間に膨らむ水風船。第一段階完了。


「そのまま!プロデューサー、ストップです!」
「?? 止まっておけばいいのか?」

私の言葉の意味が分からず怪訝そうな顔をしたプロデューサーは一旦足を止める。


  風船の口元が結ばれる。木陰から身を潜めつつターゲットセット。第二段階完了。


「にーちゃーん!こっち向いてー!!」

亜美ちゃんはプロデューサーの背後から声をかける。
彼がそちらを振り向くより少し早く、彼女は水風船をプロデューサーに投げつけた。

力一杯に投げつけられた水風船 まっすぐ標的へ向かって飛んでゆく。


   ばしゃんと、小気味良い音。



         ― ミッション・コンプリート ―
 
                          …といったところなのかな?


あまりにも上手く成功してしまったので、私は思わず笑ってしまった。


「ごふぁっ!! コラ亜美、何するんだ!」

目の前には水でスーツがびしょ濡れになったプロデューサー。
一体自分が何をされたのかを瞬時に理解したらしく、実行犯を捕まえようと走り出す。
実行犯の彼女といえば、プロデューサーの手を見事にかいくぐって、私の元まで走ってきた。


「ほら、ゆきぴょん!早く逃げないとロリコンのにーちゃんに捕まっちゃうよ!」
「だからロリコンじゃないと何度も言ってるだろ!待て!」
「待てって言って待つバカじゃないもーん!」
「雪歩!ちょうどいいところに!亜美を捕まえてくれ!」


亜美ちゃんは私の隣で立ち止まる。瞬間、目が逢う。

「ゆきぴょん、どうする?」
「え?」
「逃げるか、ここにいるか」



「こら待て!」

プロデューサーの怒声が近くなる。捕まるのも時間の問題だし、結局は捕まってしまうのだろう。
だから、私はニシシと笑ってこう答えた。


「逃げよっか」 


「さっすがゆきぴょん!話が分かる! そうと決まれば」

亜美ちゃんは私の手を取って走り出した。私もそれにつられて走り出す。
意外に強い彼女の力に思わず転びそうになる。

プロデューサーは悪態をつきながらこちらを追いかけてきた。きっと捕まって、みっちり叱られるんだろうな。
まるでちょっとした逃避行だ。私は心の中で子供っぽく笑った。

私達は走りを止めないまま、後ろを振り向いてこう言った。


「にーちゃん、ごめんねー!」
「プロデューサー、ごめんなさーい!」























むしろ遅刻したオイラが本当にごめんなさい orz
[PR]

by 6showU | 2009-11-12 02:12 | SS


<< 百合m@s108式用SSできました。      みきちは習作書きました。 >>