あいますにあいます

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2009年 10月 29日

はるちはSS書きました。

お久しぶりです。小六です。
最近のSSの内容から、僕はいかがわしい人間だと勘違いされるかもしれませんが、僕はピュアです。
エロは苦手なんです。SSを書く練習、もっとしたいです。

というわけで、久し振りのはるちはSS。

はるちはが好きです。好き過ぎて、エロSSなんて書けないです。
実は高校時代、天文部に所属しておりました。
あの頃に比べれば、あまり夜空は眺めていませんが、最近のオリオン座流星群は見ました。

やっぱりきれいです。人生で一度は見ることをお勧め致します。
流れ星って、実は毎晩流れていて、夜空に慣れればいつだって見れちゃうんですよ。
そんなロマンチックなのが、大好きな僕でした。

以下、完全な俺だけ得なSS。








ごそごそ。

私は事務所の物置部屋からラジオと毛布を取り出す。
カセットテープしか入らない、少し古めの小型のラジオ。
電源を入れてチューニングすると、今流行りの音楽が微かなノイズと共に流れ出す。
私はそれをデスクに置いて、緊急避難用の懐中電灯を一つ拝借する。
ぱちりとスイッチを入れれば、年代物の懐中電灯も役目をきっちりと果たしてくれることを証明してくれた。

「さて、こんなものかしら」

椅子に座って一息つこうとすると、勢いよく扉が開く音とともに春香が扉から顔を出す。

「千早ちゃん、こっちは準備できたよー」
「こっちも準備できているわ」
「よかった。それじゃ」




 -------- 流れ星を見に行こう ---------




ガチャリと鉄製の重い扉を開くと、ビルの屋上には夜空といくつかの星が広がっていた。

「おー!結構見えるね!」
「絶好の観測日和ってところかしら」
「こんなイベントがある日だけだけどね」
「まぁ、それはいいっこなしで」

適当に場所を見つくろい、床に広げたビニールシートの上に私達は寝転がる。
満天の星空とはいえないけれど、それでも目の前には多くの星が輝いていた。

「それで、どこから流れるの」
「ちょっと待ってね」

春香は鞄から早見盤を取り出し、懐中電灯の光を頼りに目的の星座を探した。

「えーとね、ここらへん」

春香が指差した先にはいくつかの星が並んでいて、私は春香の誘導を頼りに星座を探す。
見える星と見えない星をつなげていくと、ようやく目当ての星座が見つかった。

「そろそろかしら」
「ニュースだと、そろそろのはずだよ」

ラジオから流れる音楽を耳にしながら夜空を眺める。
冷え切ったアスファルトの床がビニールシート越しに自分の背中の体温を奪っていくのを感じた。
夜風が頭上を通り抜ける。


「…」
「…」

夜の屋上で二人きり。ぎこちない沈黙が私達の間を流れる。


「…た、楽しみだよね!」
沈黙を破ったのは春香だった。
「ええ、とても楽しみ」


「…」
「…」


「…あのさ、千早ちゃんってさ、やっぱり静かな雰囲気とか慣れてるよね」
「まぁ、春香よりは」
「だって千早ちゃんと一緒にこんなことできるからさ、うれしくって」
「そわそわしちゃう?」
「えへへ。まぁ、そんなところかな」
「春香らしいわ」
「そうかな」

私が「ええ」と軽くうなづくと春香は「そんなに子供じゃないよ」と笑って、ごろりと体勢を反転させる。
ラジオのチューニング音。どうやらラジオの番組を変えているようだ。ノイズと音楽が交互に流れ出す。

「千早ちゃんはどんな感じのラジオがいい?」
「この時間なら、クラシックがあったと思うけれど」
「こんな時間にクラシックなんて聞いていたら、絶対寝ちゃうよ」
「気持ちを落ち着けることも大切よ」
「気持ちを盛り上げるのも大切だよ」

チューニングがようやく終わったのか、ラジオからは少し前に流行っていた音楽が流れ出した。

「あ、なつかしいな。千早ちゃんはこの曲知ってる?」
「大体はね」
「千早ちゃんはこの曲好き?」
「どうかしら。その時期はクラシックばかり聞いていたから」

流れる音楽が流行っていた時間と、私がその時過ごしていた時間、春香がその時過ごしていた時間。
同じ時間のはずなのに、それはどこか違っていて。

春香も私と知り合って、私についての事情もある程度は知っている。
どちらも言葉に詰まって、また静かになる。それでも流れるラジオの音。

「じゃ、じゃあさ。この人のCD貸してあげるよ」
「それならお勧めのクラシックのCDを代わりに貸してあげるわ」

私は苦笑いしながら答える。別に気にしなくてもいいのに。

「あまり聞かないと思うけれど」
「春香に合うものを探してくるから」

そう言うと、春香はうぇ、と蛙のような声を出して、がっくりとうなだれた。
夜空をぼんやりと眺めていると、さっきまで見えなかった星がぽつぽつと姿を現し始めていた。

再び訪れる沈黙。



 「千早ちゃんってさ」 「春香って」


     「「本当に私と正反対」」



言葉を発するタイミングが偶然重なる。ただそれだけなのに、私達はおかしくて笑ってしまった。

「歌でも歌いましょうか」
「私、あまり上手く歌えないよ」
「私もサビ位しか知らないから。春香の歌は春香らしくて好きよ」
「…何か遠まわしにバカにされたような気がするけど」
「きっと気のせいよ」
「さいですか」

ラジオから流れる音楽を背に私達は歌を歌う。
サビしか知らない私はうろ覚えで歌を歌って
歌を歌うのに慣れない春香はふらふらとしたメロディで歌を歌って
ぎこちないけれど、心地よい歌。

会話はない。だけどその歌声から、相手がどんなことを思っているのかが分かるような気がして。
むしろ会話なんて必要なかったような気がした。

どれ位歌っただろう。気の向くままに歌っていたからあまり覚えていない。
そう思っていた矢先、すうっと流れ星が一つ流れた。

「あ」
「流れたね」

春香のことだから、もっとはしゃぐのかと思っていたら、意外にも彼女は落ち着いた口調で感想を述べた。
一つ。また一つ。流れ星は夜空に光の軌跡を描いてゆく。

「願い事とかしないの」
「いっぱいありすぎてね。願い事しきれないよ」

私がそう尋ねると、春香は私の方を見て苦笑いをした。
まぁ、そうかもしれない。


「明日のオーディション、受かるといいね」
「きっと受かるわよ」
「そうかな」
「春香が願えば、きっと叶うわ」
「そうだといいね」


私達はぼんやりと夜空を眺める。何も話さない。星達のダンスはまだ終わらない。


また一つ、星が流れた。













天体観測は漢の浪漫!天体観測は漢の浪漫!
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by 6showU | 2009-10-29 10:41 | SS


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